高齢者の日常生活に関する犯罪や災害に関して、わが国の治安は国際的には極めて良好に保たれている(図2−3−10)。しかし、「犯罪統計書」(警察庁)、「火災年報」(自治省)等をみると、「高齢者の被害件数」、「高齢者の火災死亡者数」は、この数年増加の状況にある。高齢人口の増加に伴う現象と言われてはいるが、地域社会での「声がけ」、「見回り」による犯罪防止、都市ガス会社等の防災見回りが防犯・防災に極めて有効であることは広く知られている。こうした地域社会における新しい型での協力活動は今後ますます活発化してゆくものと考えられるが、日中の地域在住者が高齢者主体となることも否めず、行政やボランタリー・セクターの支援が不可欠となる。